無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
12.甘い熱はふたりだけの秘密にしましょう
「……何アイスにする?」
「え!寒いから嫌なんじゃないの!?」
「寒いのはやだけど、食べるのがやだとは言ってないよ」
「なにそれー。わがまますぎない?」
「楓莉に言われたくない」
冬のアイスがわたしは好きだ。冷たいし、寒いけど、その分李々斗の体温がより近く、あたたかく感じるから。
文句を言いながらも、なんだかんだ一緒にアイスを食べてくれちゃうところも、李々斗らしくて大好き、だったりもするわけで。
握られた手のひらは、李々斗の温度が伝染してほんのり温かくなっていた。
当たり前に手をつなげるようになるなんて、あの頃のわたしには────わたしたちには、きっと想像もできなかったこと。
どうしようもなく愛おしくなって握る手の力を強めると、李々斗はやさしく笑っていた。