無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
0.眠れない夜を過ごしましょう
「ちょ、う、りり、絶対こっち見ないでね!寝返りうったら処刑だから!」
「罪重すぎない…」
「重くない!」
「てか楓莉もう少しそっち行けない?」
「だぁっ!?」
李々斗が流れるままに振り向こうとしたから、動揺した勢いのまま、顔を隠すように布団にくるまる。
「おい楓莉」とちょっとだけ不機嫌そうな声が聞こえて、う、と言葉を詰まらせた。
「布団かえして。寒い」
「あぅ…」
グイ―っと布団を引っ張られ、あっという間にはぎ取られる。
壁側を向いて丸まるわたしと、バサッと広げて布団を整える李々斗。
再び李々斗が布団にもぐって来てもなお、恥ずかしくて顔を向けられなかった。
李々斗の部屋、李々斗のベッド。
そして李々斗本人。
大好きな人の匂いに包まれたこの中で、わたしは大好きな人とともに眠りにつかなければならない。