無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
「正直俺は楓莉の叫び声のほうがこわかった」
「だって!ホントに怖かったんだよ!」
「でも退治したじゃん」
「子孫が繁栄してるかもしれないじゃん……!?エキスが!虫のエキスがさぁああ…!?」
「バカなの?」
わたしの叫び声に反応して駆けつけてくれた李々斗が、壁にとまった黒い物体を撃退してくれた。
が、しかし、 部屋に虫がいた(しかも結構でかめ)という事実がなんとなく気持ち悪くて、不安で。
「……虫無理、子孫が繁栄しているかもしれない」
「いやさすがにそれは大丈夫じゃない?」
「りりの部屋がいい」
「は?」
「りりの部屋でねる!虫の残り香が無理なの!」
それで、勢いのままにそう言ってしまったのだ。