無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
ドライヤーをもって再びリビングに戻る。
「ここ座って」
ソファに座る李々斗の足の間。促されるままにそこに座った。
さっそくドライヤーのスイッチを入れた彼が、やさしく私の髪に触れた。
風に当たるたびに、自分の髪からきみと───…李々斗と同じ、シャンプーの香りがする。
「あのなぁ楓莉、これ、毎日やってあげるわけじゃねーぞ」
「えっ、てっきりそういうシステムなのかと」
「贅沢病かよおまえは」
また、呆れたようにきみが息を吐いた。
…とか言って、李々斗はなんだかんだ毎日やってくれそうだけど。
きみに髪を乾かしてもらうのも、自分の髪からきみと同じ匂いが香るのも、今日で2日目だ。