無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
けれど、落ち込むわたしを他所に、はるちゃんとフユちゃんは もうひとつのことの方が気になるらしい。
「李々斗くんの隣誰だろう」
「ほんと。楓莉の隣だったらいいのになぁ」
「気になるし早く移動しよ」
「そうしよ。じゃあね楓莉〜」
二人とも、わたしたち3人の席が離れることより 李々斗の隣の席が誰になったかが知りたいらしい。
李々斗 李々斗って……わたしから2人をとるなんて、李々斗がイケメンすぎるせいで。ばーかばーか。
そんなことを思いながらも、わたしも自分の番号にあてられている席に机を移動させる。
廊下側の一番前の席からの移動だったので、教科書が入っているせいで重くなった机を運ぶのはわりと重労働だった。
やっとの思いで14番の席に辿りつくと、
「あ。隣、有村さんだったんだね」
そんなわたしに 柔らかい声がかけられた。