無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
「ふつうに、社会経験としてしてた方が良いのかなって思っただけだよ」
「えぇー、まじめだ。あたし服買うためにバイトしてるようなもんだからさー、物欲がね」
「物欲か」
「そーだよー。もう大変、貯金とか一生できないよあたし…」
「新作どんどん出すのほんとやめてほしい…」と言いながら、はるちゃんは今日買った洋服が入った紙袋を抱きしめていた。
欲しいんならしょうがないもんね。
頑張る理由があってかっこいいな、はるちゃん。
「や、でもどうだろ。成水くんがOKするかなぁ、
楓莉がバイトするの」
ふと思い出したように言われ、思わず首を傾げた。
「りりは関係なくない?」
「あるじゃん。成水くんは楓莉の保護者だもん、娘が嫁に行く時の父親並に止めてきそう」
「はるちゃんの中でりりってそんなふうに見えてるの?」
「イケメンでありながら束縛激しそうで更にかなりこじらせ系の男子とみた」
「すごい、全然分からない」
「ええぇ?」
たしかに李々斗はめんどくさい所があるけど、全然許容範囲だし。
記憶が正しければ束縛もされたことない。わたしが「りりのそういうとこ良くないよ」って言ったら、ちょっと拗ねるけど ちゃんと素直になってくれるもん。
こないだだってアイスで釣れた。ちょろいんだよ、わたしの幼なじみのりり君は。