無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
───カランカラン、
来店のベルが鳴った。
「お客さんだ。店長呼んでくる」
「う、うん」
「……なんか、ごめんね。意地悪言うつもりはなくて。少し不思議だったからずっと聞きたかったんだ」
吉川くんの言葉に首を横に振る。
べつに吉川くんの言葉を意地悪だなんて思わなかった。
ただ、李々斗のことが少しだけわからなくなってしまっただけ。普通が分からなくなっただけ。
わたしたちの正しい距離がなんなのか、正解が分からなくなった。
──幼なじみってさ、離れ時がないから
その言葉が、やけに鮮明に耳に残っていた。