無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎






「はる、どう思う」

「いや、多分フユが思ってるのと同じ」

「だよね」

「え?え?ふたりとも、解決策がもうわかったってこと?」



「楓莉はピュアでかわいいよねぇ」とか「吉川くんめちゃくちゃ世話焼きだね」とか、色々言っている。

何ひとつ理解できていないわたしは、ただ首をかしげることしかできなかった。



「いい?楓莉」

「う、うん」



ごくり、生唾を呑み込み、フユちゃんの言葉に耳を傾ける。



「成水くんの気持ちを知る前に、楓莉が自分のきもちをちゃんと知ることが大事だと思うよ」

「…わたしの気持ち?」

「そそ。成水李々斗のファンから言わせてもらうと、楓莉は誰がどう見ても成水くんの特別なんだよね。幼なじみって枠を超えて、“トクベツ”の枠にいるの」



わたしは、李々斗のトクベツ。

第三者からそう言われたことが、どうしてかすごく、すごくすごく、嬉しかった。


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