無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
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「うわ、結構暗い。日落ちんの早くなってきたよな」
「ソダネ…」
「楓莉寒くない?」
「ソダネ…」
「なあ聞いてる?」
オレンジ色の空の下。家に続く道のりを歩いていると、ばふ、と上から大きめのフードパーカーを被せられた。
顔を上げれば、李々斗が呆れたようにわたしを見ていて、「歩くか悩むかどっちかにしたら」と言われた。
「うう…」
「なに」
「こんなつもりでは…」
「なんのはなし?ケーキ美味しくなかった?」
「美味しかったよぉお…美味しすぎて予定狂ったんだよぉ…」
意味が分からないと言わんばかりの表情を浮かべる李々斗。
李々斗の匂いが染みついたパーカーで顔を隠すようにフードをかぶり紐を結ぶと、「いやなにしてんの?」とまた呆れられた。