キミだけのヒーロー
卒業アルバム
気づけば夏休みも残すところ後10日ほどになっていた。
その日もいつものように部活を終えたオレは、ジリジリと照りつける日差しの下、愛用の自転車で帰宅途中だった。
――キィ
ブレーキをかけた。
同じく自転車に乗って前方から来ていたヤマジとの距離が近くなったからだ。
「よー」
「う――す」
なんて軽く挨拶を交わす。
「何? 出かけんの?」
めずらしく自転車に乗っているヤマジに尋ねた。
ヤマジは学校へも徒歩で通学しているので、自転車に乗る姿を見るのはめずらしい。
「ああ。今からアイツんち。ケンジも行く?」
“アイツ”とは、カナコのことだろう。
「まさか……お邪魔やし……」
一瞬口をつぐみ、オレは言いなおした。
「いや。うん。オレも連れてって」
その日もいつものように部活を終えたオレは、ジリジリと照りつける日差しの下、愛用の自転車で帰宅途中だった。
――キィ
ブレーキをかけた。
同じく自転車に乗って前方から来ていたヤマジとの距離が近くなったからだ。
「よー」
「う――す」
なんて軽く挨拶を交わす。
「何? 出かけんの?」
めずらしく自転車に乗っているヤマジに尋ねた。
ヤマジは学校へも徒歩で通学しているので、自転車に乗る姿を見るのはめずらしい。
「ああ。今からアイツんち。ケンジも行く?」
“アイツ”とは、カナコのことだろう。
「まさか……お邪魔やし……」
一瞬口をつぐみ、オレは言いなおした。
「いや。うん。オレも連れてって」