キミだけのヒーロー
ちぃちゃんはオレの発言に目を丸くして驚いている。


オレは自分の中にあるちぃちゃんのイメージを話して聞かせた。


ちぃちゃんは男から見ればすごくガードが固そうに見える。

軽く声なんか掛けようもんなら、警戒されて逃げられてしまうんじゃないかってそう思わせる要素がある。


オレは初めて彼女に会った日のことを思い出して思わず吹き出した。


「初めて会った時なんか、ほんまに『わたしに声をかけないで!』って感じでシャッター降ろしてたもん」


「えええー! そんなつもりなかったよー! ただ、男の子って苦手っていうか……」


「うん、わかってるよ。今はわかってる。……でもまぁ……今でもちょっとだけ、壁を感じるなぁ」


「え! ウソ! ほんとにそんなつもりないのに!」


「その証拠に……」
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