キミだけのヒーロー
北野典子のお姉さんと待ち合わせしたのは、N中の正門前。
念のためオレの携帯番号とアドレスは向こうに伝えてもらってある。
オレがついて10分後ぐらいに、大学生ぐらいの女性が一人やってきた。
「日下部君……?」
その女性は、以前写真で見た北野典子をそのまま大人っぽくしたような人だった。
「すみません。急に呼び出して」
オレは恐縮してペコリと頭を下げた。
そしておもむろにタオルを差し出す。
「このタオル、見覚えありませんか?」
お姉さんはタオルを手に取った。
だいたいの事情はカナコからお姉さんに伝えてもらっている。
3年前の秋にサッカーの試合の後、その場にいるはずもない北野典子に出会ったことを。
しばらく眺めてから、お姉さんはゆっくりとした口調で喋り出した。
「これは……典子のじゃないと思う」
「え……?」
念のためオレの携帯番号とアドレスは向こうに伝えてもらってある。
オレがついて10分後ぐらいに、大学生ぐらいの女性が一人やってきた。
「日下部君……?」
その女性は、以前写真で見た北野典子をそのまま大人っぽくしたような人だった。
「すみません。急に呼び出して」
オレは恐縮してペコリと頭を下げた。
そしておもむろにタオルを差し出す。
「このタオル、見覚えありませんか?」
お姉さんはタオルを手に取った。
だいたいの事情はカナコからお姉さんに伝えてもらっている。
3年前の秋にサッカーの試合の後、その場にいるはずもない北野典子に出会ったことを。
しばらく眺めてから、お姉さんはゆっくりとした口調で喋り出した。
「これは……典子のじゃないと思う」
「え……?」