キミだけのヒーロー
始業式(出席しなかったけど)を終えたオレは、シィからのメールに指定された通り、自転車に乗って正門に向かった。


シィは自分の自転車とともにすでにそこにいた。


「おいー。自転車交換してって、どういうことやねん」


そう。

シィからのメールには、今日の帰りに自転車を交換して欲しいと書いてあったのだ。


「あー……うん」


シィは言葉を濁す。

これは何か隠してるな。

そう思ったオレはわざと意地悪をしてやることにした。


「そういや……お前、あの後どうなったん? ちぃちゃんと」


ガチャンッという音とともに、シィの自転車が倒れた。


ククッ

おもしれー。

ほんと、わかりやすいなコイツは。


「いやっ。それが……」


シィは真っ赤な顔して、倒れた自転車を起こしている。


「……付き合うことになりました」


「はい?」
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