キミだけのヒーロー
ボソッとつぶやくシィにオレは周りのヤツらが振り返るぐらいのでかい声で聞き返した。

いや、聞こえてはいたが、にわかには信じられなかった。


まさか。

シィとちぃちゃんが付き合うって?

正直、絶対無理だと思ってた。

まさに逆転ホームランだ。



「ま、まじで……?」


「うん。それで、今日一緒に帰るから、お前の自転車貸してくれや。オレの荷台がついてへんから、二人乗りできへんねん」


「ああ……そう。そうね」


まだ信じられなかったオレはその場でシィと一緒にちぃちゃんを待つことにした。


もちろんシィはかなり迷惑そうだったが、そんなこと気にしちゃいられない。

ちぃちゃんはオレにとって、大事な娘みたいなもんなんだから!

保護者としてはしっかり見届けないとな!

うん。



やがて、ちぃちゃんがパタパタと小走りでやってきた。

ま、まじですかぁ……。
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