キミだけのヒーロー
あたしのヒーロー ~サユリの夢~
―――――――
――――……
薄ぼんやりとする意識の中であたしは夢を見ていた。
それは中学2年の頃の夢。
あの頃、あたしにとってソフトボールは全てだった。
将来、大きな試合で投げる自分を想像してはいつもワクワクしていた。
そんなあたしに医者の言った一言。
「もう、選手として投げることは無理でしょう」
目の前が真っ暗になった。
この手に掴んでいたものが砂のように指の間からこぼれて落ちてしまった気がした。
それからのあたしは、まさに自暴自棄って感じだった。
何もやる気が起こらない。
学校も休みがちになった。
そんなあたしを心配したナツミは、ことある毎にあたしを連れ出してくれた。
ある日、いつものようにナツミに誘われたあたしはサッカー部の試合を見に来ていた。
サッカー部のマネージャーであるナツミのそばに座っていると、部員達の話す声が聞こえた。
「今日は楽勝やな」
「適当に流していこうや」
どうやら相手は格下らしい。
うちのサッカー部はかなり実力があったので、そう思うのも無理はない。
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薄ぼんやりとする意識の中であたしは夢を見ていた。
それは中学2年の頃の夢。
あの頃、あたしにとってソフトボールは全てだった。
将来、大きな試合で投げる自分を想像してはいつもワクワクしていた。
そんなあたしに医者の言った一言。
「もう、選手として投げることは無理でしょう」
目の前が真っ暗になった。
この手に掴んでいたものが砂のように指の間からこぼれて落ちてしまった気がした。
それからのあたしは、まさに自暴自棄って感じだった。
何もやる気が起こらない。
学校も休みがちになった。
そんなあたしを心配したナツミは、ことある毎にあたしを連れ出してくれた。
ある日、いつものようにナツミに誘われたあたしはサッカー部の試合を見に来ていた。
サッカー部のマネージャーであるナツミのそばに座っていると、部員達の話す声が聞こえた。
「今日は楽勝やな」
「適当に流していこうや」
どうやら相手は格下らしい。
うちのサッカー部はかなり実力があったので、そう思うのも無理はない。