キミだけのヒーロー
オレはちぃちゃんに対して、まさにヒーロー気取りだった。

彼女は少しずつオレ達のグループにうちとけていったものの、やはり男は苦手なようだった。

そんな彼女にオレは事あるごとに話題をふった。


「何してんの?」
「今日、ええ天気やなぁ」
「何食ってんの?」
「ちぃちゃんって、何部?」


そのかいあってか、気がつけば彼女の方からもオレに話しかけてくれるようになった。

その態度は、明らかに他の奴等とは異なっていた。

オレだけに気兼ねなく話してくれることがうれしくもあり、ヘンな優越感みたいなものを抱いていた。


だけど……

ある時気付いたんだ。


彼女の視線の先に誰がいるのかを……。
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