キミだけのヒーロー
恋におちる瞬間
今日は中間テストの最終日。

おまけに週末だ。

結果はどうあれ、とりあえず勉強からはしばらく開放されるわけで……。

オレはテンションちょい高め。


……って言いたいとこなんだけど、今ちょっと微妙な空気が漂ってます。



オレとサトシは放課後、ある場所へ向かっている。


今日オレは、ある女の子と会うことになっていた。


そのいきさつはこうだ。


先日マユという同じ中学出身の子から、サトシへ連絡が入った。

そのマユからのメールによると、彼女の通う高校の友達がオレを紹介して欲しいと名指しで言ってきたのだとか。


最近、すっかり自信を失くしているオレとしては、キツネにつままれたような話に思えた。

それに、ぶっちゃけあまり期待はしていない。

相手はS女。

S女というのは、このへんでは“可愛い子が多い”ってことで有名な女子校だ。

たしかに、可愛い子は多いのかもしれない。

だけどオレからすれば、ギャル率も高いように見える。

オレの苦手分野な香りがプンプンする……。


とりあえず会ってみようとは思っているものの、あまり乗り気でないのも事実。



オレ達は待ち合わせのファミレスに入った。


店の奥にはS女の制服を着た女の子が一人座っていた。
< 34 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop