キミだけのヒーロー
体育館の壁にオレの裏返った悲痛な声が反響した。


そんなオレを無視して、ミヤビちゃんは両手を顔の前であわせて、顔を傾けて可愛くおねだりポーズ。


「お願いっ!」


一瞬……『可愛い……』なんて、間抜け顔で見とれてしまうオレ。


ハッ!

いかんいかん!


「あ……あのさ……」


「じゃ。よろしくねー!」


何か言いかけたオレの言葉を遮って、ミヤビちゃんは足取りも軽くそのまま去って行ってしまった……。

しかもスキップしながら……。





うっそーん……。


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