キミだけのヒーロー
「うん。同じ中学やってん」


へぇ……。

世の中って狭いもんだなぁ。

人ってどこでどう繋がってるかわからないもんだな、なんて改めて感心してしまう。


「中学の頃から、可愛かったんやろうなぁ……」


見てもいない中学時代のサユリを想像してまたうっとりする。


「うん。結構モテてたよ。でも、彼氏とかいなかった気がする」


「マジで?」


そっかぁ……。

つうことは、サユリにとってオレは初彼かもしれないわけで……。

そういうのって、なんかうれしいかも。



それにしても、同じ中学かぁ……。

そういや、サユリってどこの中学だったんだろ。



「同じ中学って……。どこなん?」


「N中やで」


オレはカナコから携帯を受け取りながら呟く。


「N中……」

カナコの言葉をそのまま繰り返し、さらに頭の中で反芻する。


N中……。

N中……。

N中……。


あ!
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