キミだけのヒーロー
N中と言えば!
そのキーワードに、忘れかけていた3年前のあの記憶が甦ってきた。
「N中って、“キリノノリコ”って子おらん?」
思わず興奮して大声を出してしまったオレにカナコは驚いていた。
「何なん? 急に……。ケンジぃー。彼女できたくせに、他の女の子にも、手ぇだそうと思ってるん?」
「ちっ……違うって! そんなん違うって!」
オレは3年前の出来事をカナコとヤマジに聞かせた。
N中で行われた練習試合。
負けてへこんだオレに水のみ場でタオルを貸してくれた顔もわからない女の子。
手がかりはN中の制服とタオルにうっすらと残った名前
――“キリノノリコ”。
「んー……」
カナコは両手を組んで、考え込んでいる。
「やっぱりおらんの?」
「ちょっと待って……。その名前、なんか聞いたことあるねんなぁ……」
そして天井を仰いでつぶやく。
「キリノノリコ……キリノノリコ……」
その時、予鈴が鳴った。
「“キリノノリコ”って子は確かにいたような気がするねん。家に帰って調べてみるわ」
そう言うとカナコは急ぎ足で教室を去って行った。
なんだか不思議な感覚だった。
もうすっかり忘れていた記憶。
だけど3年たった今……
ひょっとしたら、ようやくキリノノリコに一歩近づけるかもしれない。
なぜかそんな予感がした。
そのキーワードに、忘れかけていた3年前のあの記憶が甦ってきた。
「N中って、“キリノノリコ”って子おらん?」
思わず興奮して大声を出してしまったオレにカナコは驚いていた。
「何なん? 急に……。ケンジぃー。彼女できたくせに、他の女の子にも、手ぇだそうと思ってるん?」
「ちっ……違うって! そんなん違うって!」
オレは3年前の出来事をカナコとヤマジに聞かせた。
N中で行われた練習試合。
負けてへこんだオレに水のみ場でタオルを貸してくれた顔もわからない女の子。
手がかりはN中の制服とタオルにうっすらと残った名前
――“キリノノリコ”。
「んー……」
カナコは両手を組んで、考え込んでいる。
「やっぱりおらんの?」
「ちょっと待って……。その名前、なんか聞いたことあるねんなぁ……」
そして天井を仰いでつぶやく。
「キリノノリコ……キリノノリコ……」
その時、予鈴が鳴った。
「“キリノノリコ”って子は確かにいたような気がするねん。家に帰って調べてみるわ」
そう言うとカナコは急ぎ足で教室を去って行った。
なんだか不思議な感覚だった。
もうすっかり忘れていた記憶。
だけど3年たった今……
ひょっとしたら、ようやくキリノノリコに一歩近づけるかもしれない。
なぜかそんな予感がした。