キミだけのヒーロー
翌日、登校したオレをカナコが教室で待ち構えていた。


「ふふふーん。謎は、解けたよー。“キリノノリコ”」


カナコは腕を組みながら、誇らしげに開口一番そう言った。


「おう。教えて、教えて!」


そういうオレに「はい」と手のひらを見せるカナコ。

『ナニ?』その意味もわからず、オレはキョトンとする。


「情報料」


「は? なんでやねん」


「だったらいいよー。教えてあげないから」


くううううう。

人の足もと見やがって。


オレはうなだれてカナコの肩をポンポンと叩いた。


「わかった。今日の飯、おごったる。 お前の好きな他人丼でどうや?」


「いちご牛乳もつけてね」


「うわぁ。最悪や。ヤマジぃ、この女、ちゃんとしつけとけよ!」


オレはそばでクスクス笑ってるヤマジに八つ当たりをした。


「わかった、いちご牛乳もつけたるから、教えて? カナコちゃん?」


カナコは軽く頷くと交渉成立とばかりに、話し始めた。
< 55 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop