キミだけのヒーロー
「“北野典子”」
「キタノ……ノリコ?」
「そう」
カナコはさも自信ありげにゆっくりと頷く。
「あたしの推理ではね……。彼女の名前は“キリノノリコ”じゃなくて“キタノノリコ”じゃないかな?」
「キタノノリコ……」
オレは再度その名前を呟いた。
「うん。 家で考えててんけど、“キリノ”じゃなくて“キタノ”って子ならおってん……」
カナコはまるで探偵気取りで、人差し指を立てながら説明する。
「そのタオルの文字って消えかけてたんやろ? つまり……カタカナの“タ”の字の一部が消えて“リ”に見えてたんじゃないかな?」
「な……るほど」
オレも妙にその説に納得してしまった。
「なぁ。オレその子に会いたいねんけど、会えるかな? 会ってお礼も言いたいし、タオルを返したいねん!」
オレはタオルの持ち主がわかったことに興奮してカナコに詰め寄った。
「わ、わかった。でも……」
カナコは体を少し仰け反らせて、両手を前に出してオレに“待て”と合図する。
「あたし、北野さんとは同じクラスになったこともないねん。関わりが全くなかったから、すぐには連絡とれへんかもしれへん。それに……」
カナコは眉をひそめて表情を変えた。
その顔にオレまで不安になる。
「北野さん、なぜか、卒アルに載ってへんねん」
「え?」
「キタノ……ノリコ?」
「そう」
カナコはさも自信ありげにゆっくりと頷く。
「あたしの推理ではね……。彼女の名前は“キリノノリコ”じゃなくて“キタノノリコ”じゃないかな?」
「キタノノリコ……」
オレは再度その名前を呟いた。
「うん。 家で考えててんけど、“キリノ”じゃなくて“キタノ”って子ならおってん……」
カナコはまるで探偵気取りで、人差し指を立てながら説明する。
「そのタオルの文字って消えかけてたんやろ? つまり……カタカナの“タ”の字の一部が消えて“リ”に見えてたんじゃないかな?」
「な……るほど」
オレも妙にその説に納得してしまった。
「なぁ。オレその子に会いたいねんけど、会えるかな? 会ってお礼も言いたいし、タオルを返したいねん!」
オレはタオルの持ち主がわかったことに興奮してカナコに詰め寄った。
「わ、わかった。でも……」
カナコは体を少し仰け反らせて、両手を前に出してオレに“待て”と合図する。
「あたし、北野さんとは同じクラスになったこともないねん。関わりが全くなかったから、すぐには連絡とれへんかもしれへん。それに……」
カナコは眉をひそめて表情を変えた。
その顔にオレまで不安になる。
「北野さん、なぜか、卒アルに載ってへんねん」
「え?」