キミだけのヒーロー
ぶっ……。

どんくさっ。


イメージ通りって感じなんだけど、ちぃちゃんはどうやら運動があまり得意ではないらしい。

さっきから何をやってもサマにならない。

まぁ……そういうとこが彼女の可愛いとこでもあるんだけどなぁ。


オレは手に持っていたノートを丸めて、メガフォン代わりにして口にあてた。


「ちぃちゃ~ん! 頑張れー!」


窓から身を乗り出してそう叫ぶと、彼女は真っ赤な顔で俯いてしまった。

くくっ……。

おもしれー。




「日下部君!」


カツンッ


「いでっ」
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