キミだけのヒーロー
「ほんまやで」


オレはそう呟くと、手を伸ばしてサユリの髪を優しく掻き分け、その頬にそっと触れた。

初めて触れたサユリの肌は想像以上にしっとりと冷たくて、柔らかかった。


オレはゆっくりとサユリに顔を近づける。

それに応えるかのようにサユリが目を閉じた。


やばい。

すげードキドキしてる。

近づくにつれ、サユリの甘い香りがオレの鼻をかすめる。

女の子って良い匂いするんだなぁ……なんて、ヘンなとこで感動したりして。


サユリの前髪がオレに触れる……。


もう限界。


……めっちゃ好き――



< 76 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop