キミだけのヒーロー
その日の深夜。

寝ているオレの枕元で携帯が鳴った。

サユリからかもしれないと思ったオレは半分寝ぼけたまま、携帯を開いた。

だけどそれはカナコからのメールだった。



――――――――-
From カナコ

北野さんの
引越し先がわかったよー!
(。-∀-)ニヒ♪

名古屋やねんて…
ちょっと遠いね

――――――――-


オレははっきりしない頭でぼんやり考える。

北野さん……。

ああ……、“キタノノリコ”かぁ。

名古屋かぁ……。

微妙な距離だな。

関西なら、まだ会いにいけるけど……。

名古屋となると、簡単には会えないなぁ……。


そっか――


やっぱ、会えないのかなぁ。


薄れていく意識の中、パタンと携帯を閉じた。
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