キミだけのヒーロー
オレはサユリの手を取って、オレのシャツからそっとはなした。

そして歩き出す。

振り返らなくても、彼女がどんな顔をしているのかは想像がついた。

だけど、ごめん。

今はその顔すら信じられない自分がいるんだ。






その夜、何度もサユリから電話やメールがあったが、その全てをオレは無視した。


こんなことをして逃げてても何の解決にもならない。

だけど、真実を確かめる勇気もなければ、今サユリを信じきれる自信もなかった。
< 83 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop