キミだけのヒーロー
散々人を怖がらせといて、彼女達はその話を終えるやいなや、席を立って出て行ってしまった。



「なぁ……。今の話聞いてた?」


オレはヤマジにそっと尋ねた。


「ああ。うん」


ヤマジは顔色一つ変えない。

きっと彼はこの手の話しにビビるタイプじゃないのだろう。

なんならホラー映画観ながら、生レバーを食えるタイプだ。
(勝手に決め付け)

ちなみに、オレはやばい。

かなり苦手分野なのだ。

金払ってまでお化け屋敷に入ったり、ホラー映画を観るやつの気が知れない。



「お前、幽霊とか信じる?」


やめときゃいいのに、自分から話しを振るオレ。


「んー。信じないね。もしいたとしても、オレみたいなヤツには寄ってこない気がする。むしろ……」


「え?」


ヤマジはニヤリと微笑んで、今一番オレが言われたくないセリフを口にした。
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