お見合い相手は、極道の天使さま!?(10/24に新たに大幅修正済み)
ここのオバケ屋敷は、古い病院の造りになっていた。
どうやら幽霊が出る夜間病院の設定らしい。
懐中電灯を渡されると病院内を進んで行く。
最初にたどり着いたのは、スタッフステーション。
暗いといっても薄暗いが蛍光灯で光っているし、よくホラー映画にあるような感じだ。
なんだ……全然思ったより怖くないじゃん。
すると手術室が見えてきた。
中に入ると手術着を着たマネキンが手術をしている。
医師と看護師の設定なのだろう。凄い……本物みたい。
私は、ワクワクしながら見ていると突然だった。
手術をされている患者がいきなり起き上がった。
ゾンビのように青白くお腹の中は、内臓が見えるようになっていた。しかも血だらけ……。
しかも音声は、悲鳴や怖い声が鳴り響いた。
私は、一瞬ビクッとした。だが、それよりも先に鬼龍院さんが驚いていた。
「うわぁっ!?」と悲鳴を上げて……。
えっ……?
しかし鬼龍院さんは、それでも私の前に立ってきた。
「だ、大丈夫だ……上沙さん。僕が守るから
鬼龍院組の俺に喧嘩を売るとは、いい度胸しているな」
庇うように構えていた。
いや……鬼龍院さん。それ作り物ですから!?
しかも守ると言いながら身体は、ガタガタと震えていた。どう見ても怖いのだろう。
「大丈夫。それ人形ですから、次に行きましょう。ねぇ?」
壊されても困るので慌てて腕を引っ張り手術中から出て行く。
次も何人ものゾンビや血だらけの患者などが私達を驚かせにきた。そのたびに鬼龍院さんは……。
「ヒィッ!!」
「うわぁっ!?」
ビクッと肩や身体を震わせては、声にならない悲鳴を上げていた。
どう考えても鬼龍院さんは、オバケが苦手みたいだ。
あの日本でもトップクラスの極道・鬼龍院組の若頭なのに……実は、かなりのビビり屋だった。
ヤクザなのに……。
私は、それに呆れながらもちょっと可愛いと思ってしまった。そして何とか出口まで行けた。
チラッと隣を見てみると鬼龍院さんは、顔色が真っ青になっており涙目になっていた。