Happy Musicland
でも、流花は失恋をしてしまった。海斗にチャンスが再び巡ってきたのだ。

(きちんと惚れさせてやる……!)

そう流花を抱き締めながら海斗は密かに思い、流花に囁く。

「カラオケ、行こう?好きな歌を思いっきり歌って、泣いて、悲しみを壊そう?」

「……うん」

流花は鼻をすすりながら答える。海斗はまだ涙を拭う流花の手を引き、教室を後にする。そして二人でよく行くカラオケボックスへと向かった。



二人の通っているカラオケボックスは、高校から比較的近い。そのため、同じ学校の生徒たちが帰りにふらりと歌いに来たりするのだ。

「ん〜……。あんまり遅くなるといけないし、とりあえず二時間で」

流花と手をつないだまま、海斗は店員と話をする。違うつなぎ方をして堂々と歩いてみたい、そんなことを思いながら海斗と流花は部屋に案内された。最新機能の付いた部屋だ。

「いい機能付いてる!ラッキー!」

海斗はそう言い、流花を見つめる。しかし流花はまだ元気ではない。そして海斗にマイクを差し出した。
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