ブルースカイの夢

幼かったあたしにとって父の言葉はとても怖くて、それからあたしは人の顔色を伺って過ごすようになった。人の言葉に反論することもなく、人に従い、いい子でいるようにしてーーー。

でも、そんな生活を続けるうちにあたしの心は限界を迎えてしまった。生きる意味がわからなくなって、生きるのが重くなった。そして、「自分」という存在を失ってしまったあたしは、自分で描くはずのページに何も物語を描けなくなって、保健室登校をすることにしたんだ。

窓から見える景色はモノクロだ。色がきちんとあるはずなのに、あたしが見るとモノクロに見える。体育の時間なのか、ジャージに着替えた同級生たちがサッカーを楽しんでいた。

「はあ……」

あたしはため息をつき、問題を解く手を止める。勉強をやめたあたしを鈴先生は叱ることなく、「今日は勉強って気分じゃないのね」と優しく微笑んでくれた。

あたしは窓際に向かい、空を眺める。モノクロの世界で、空だけが綺麗な色だ。届かないのに、そっとあたしは手を伸ばす。