明日が見えたなら  山吹色
おぼろ雲


七海Side
 
 梅雨も明けない7月の土曜日に彰くんの中学時代の同窓会があった。懐かしい仲間と会い盛り上がったのだろう。遅くなる連絡はあったが朝方帰って来たようだった。

 目が覚めると彰くんがいて、シャワーを浴びこれから寝ると言っている。

 もう相当眠そうだ。シャワーを浴びた彰くんに「おやすみ」と声を掛けたが聞こえていないようで寝室へ入って行った。

 二度寝しようかと思ったが、私は寝室へ戻らずコーヒーを飲んだ。彰くんが着ていた服からたばこの匂いがした。今日は洗濯日和で良かった。適当に家事をしてのんびりと午前中を過ごした。


「おはよう」

 彰くんがお昼前にスッキリした顔で起きて来た。

「おはよう」とキスをする。

「ホットサンド食べる?」

「うん、よろしく」

「ちょっと待っててね」
ソファーから立ち上がり台所へ行く。

「昨日は二次会でカラオケ行ったんだ」

 楽しそうに話し出す。

「何人でカラオケ行ったの?」

「15人くらいかな?朝まではその半分で、昨日来れなかったヤツもいるから近いうちにまた集まるって言ってたな」

「そうなんだ、楽しみだね」

 彰くんは楽しそうに頷いた。

 ホットサンドとコーヒーを用意した。

「ありがとう七海、いただきます」

「いただきます」
 二人で食べ始めた。

「これから買い物へ行くか?」

「いいの?じゃあ食べ終わったら仕度するね、あっ洗濯物干したままでいいかな?どのくらいで帰ってくるかな?」

「わからないから取り込んでおけば?」

「その方が安心だね 、そうするよ」

ただの買い物でも一緒に出掛けるのはデートのようで嬉しい。私は急いで食べた。


二人で出掛ける時には彰くんが運転する。

「眠くない?運転代わろうか?」

「本当に運転する気ある?」

「半分くらいあるかな……」

 渋滞もあるので運転したくないのが本音だか、見破られる。

「大丈夫、運転出来るよ 。
そうだ、もう時期お盆になるよな 、休みはどれくらいだ?」

「今年は長期連休にはならなかった…」

「オレも同じだな。どうする?七海の実家へ行くか?」

「今年は彰くん家のお墓参りだけでいいかな、あとは近場でゆっくりしようよ」

「そうか?それなら 七海の実家には秋の連休にでも計画しような」

「うん」

「お盆に遠出しないなら、今度の週末に日帰りでどこか行くか?」

「行く!」

「なら 行き先調べておけよ」

「うん!温泉がいいなぁ」


早速、その日からドライブの下調べをする。

 行きたい場所が沢山見つかるが、候補をいくつか提案して彰くんと決定する。

 それがいつもの二人のパターン。

ドライブの計画をしていると、彰くんのケータイが振動して、話しの邪魔をする事が度々あった。

 初めは気にしていなかったが、何度もあるとだんだんと気になってくる。
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