明日が見えたなら 山吹色
週末の金曜日は職場の暑気払いだった。お盆休み前半に突入するため、皆の気が緩み、飲み方が豪快だ、オレもほろ酔いで帰宅した。
起きていた七海がかわいくて、手を引いてお風呂へ向かった。一緒に入るのはオレの感覚では久しぶりで我慢出来ずに自分を解放した。週末も七海の笑顔が見たくてちょっかいを出し続けた。
お盆の中日は、早く帰宅した。ほとんどの会社が休みのせいか、仕事もゆとりがあった。
「彰くんは明日何が食べたい?」
「グラタンがいいな」
「じゃあグラタン作るね!」はりきって楽しそうに言っている。
そんな日常がうれしく思った。
お盆休みは実家とお墓参り、買い物などへ行き、のんびりと過ごす。
「今日は随分と根を詰めてたな?何を作ってるんだ?」
「みくちゃんにプレゼントするぬいぐるみ作ってたの」
俺に差し出す。光沢のあるかわいい顔をしたピンクのクマのぬいぐるみだった。
「喜んでくれるといいな」
「うん それでね 、今週の水曜日に綾乃と会ってくるから外食して欲しいの いい?」
「いいよ、久しぶりだろ 楽しんでこいよ」
「ありがとう」七海はニコッと笑っていた。
あっという間のお盆休みだった。