明日が見えたなら  山吹色


フットサルの帰りに、七海が好きなアイスを買う。七海が自分自身にご褒美したい時に買ってくるアイスだ。ゴマすりが見え見えだが、これで機嫌が直ってくれるなら安いものだ。


「だだいま」

「お帰りなさい…」

やはりテンションは低い。

「一緒に食べよう」と差し出す。やっと嬉しそうに笑ってくれた。

その顔を見れただけでオレは嬉しくなる。‘’オレも単純だな‘’

 キスをしてから冷凍庫へアイスを入れた。

浴室へ行き、身体を洗いながら七海を思う。最近は時間か合わず一緒にお風呂に入っていなかった。

「七海 一緒に風呂に入ろう」リビングに向かって声を掛ける。

返事はないが湯船に浸かっていると、恥ずかしげに七海が入ってきた。手を掴み湯船に導く。後ろから抱き締めると少し抱き心地が少し違うように感じた。痩せたのか?

 うなじにキスをしながら、謝った。

「昨日はごめん、オレには七海だけだよ」

「うん」

 七海は頷いてくれた。許してくれたのか。

 湯船から上がる七海の身体を洗う。やはり痩せたようだ。

「ダイエットしてるの?」

「ううん、してないよ。なんで?」

「痩せたよね?」

「そんな事ないよ、変わらないよ」

「そうかな」

「そうだよ、女の人に体重聞くのは失礼だからね!」

「奥さんでも?」

「奥さんでも!」

 痩せたようで心配だが追求するのは止めて一緒にお風呂から出た。

夕食はオレの好物だった。フットサルの後なので、お腹が減っている。オレは何杯も食べられそうだが、七海のお茶碗にはオレにしたら2口で終わる量しかよそられていない。

 痩せたことも気になり聞いてみる。

「ご飯はその量で足りるのか?」

「大丈夫だよ、お昼が遅かったし、後でアイスを食べるしね」

「そうか、今日は何していだんだ?」七海の言葉を素直に信じる事にした。

「小物作ってた」

「そうだ!拓馬から『熊のぬいぐるみありがとう』って連絡あったぞ 『みくが、喜んで離さない』って、気に入ってもらえて良かったな」

「うん!」

  食後にアイスを食べる。ご飯とは違って、美味しそうに食べている。買ってきて良かった。

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