明日が見えたなら 山吹色
翌朝出社するとエントランスで瑛に会った。
「おはよう、今日定時後空いてるか?」
「おはよう、いいけど七海ちゃんは大丈夫なのか?」
「昨日から実家へ行ってる」
「ふーん、そうか。空いてるから仕事終わったら知らせるよ」
「わかった!よろしくな」
昼休憩に拓馬から電話が来た。
『はい』
『もしもし、彰汰か?』
『ああ、オレだ』
『大丈夫か?』
『大丈夫って何が?』‘’何をそんなに心配しているんだ?‘’
『何がっておまえ……七海ちゃんは大丈夫なのか?』
『ああ、ちょっと辛そうだが大丈夫だ。昨日から実家へ行ってる』
『それも良いかもな』納得した声が聞こえる。
『まぁ、安心だけどね』オレも同意する。
『彰汰は平気なのか?』
『オレ?オレは適当に食べるし大丈夫だよ』
『そうじゃなくてさ、本当に大丈夫か?』
なんだか話しが噛み合わない。拓馬は何を心配しているんだ。
『彰汰、今日会って話せるか?』
『今日は瑛と飲むから拓馬も来るか?オレの2次会で会ってるけど覚えてる?』
『覚えてるよ、行くよ。店は予約してあるのか?』
『いや、してないよ』
『なら個室の居酒屋にしてくれ』
『了解。決まったら連絡するよ』
早速駅前の居酒屋の個室を予約した。