明日が見えたなら 山吹色
彰くんは同窓会第2弾に参加した、今回は水曜日の為か 22時に帰宅した。
「おかえりなさい」といつものようにハグをする。
彰くんからアルコールの匂いがしたが、甘い香りもほのかにする。女の同級生もいるだろうしね?と気軽に構えてた。
同窓会第2弾が過ぎてもまだ彰くんのケータイに着信がなる。相変わらず直ぐに返信している。
サラッと聞きたいが気持ちもあるが、気にしていない振りをする。
彰くんの仕事はお盆前で忙しいらしく帰宅の遅い日が増えた。夕食も食べて帰ってくるのでゆっくり二人で過ごす時間もなくなる。
「今日は早く帰れそうだ」と彰くんが朝の出勤前に呟いていた。私はその言葉に喜んだ。
会社でも浮き立つ心を抑えるのに大変だったが、定時で帰れるように頑張った。
張り切って夕食を作り、早く帰って来ないかと時計を何度も見る。
待つがなかなか帰宅しない。
仕事が終わらないのかな?今は20時、仕方ない…もう少し待とう。
そろそろ連絡してみようかな?と考えていたら21時半にやっと帰宅した。
「ただいま」
「おかえりなさい、遅かったね」
玄関で出迎えギュッと行き抱きつく。
彰くんも抱き返してくれた。
「あぁ、ちょっと相談が入ってね」
‘’ん?……!何この香り?‘’直ぐに離れた。
「そうなんだ、直ぐに食事の支度するね」
「ごめん、食べてきた」
「えっ!」
遅いのに加えて、微かに甘い香りまで纏 って食事を済ませている。
どういう事?私の中でショックは大きくて、聞くことが出来ない。彰くんに限ってまさか浮気はしていないよね?不信感が芽生えていく。
「そっか、今朝言っていたから期待しちゃった」
「ごめん…明日は遅くても必ず家で食べるから許して?」
「……」
「七海まだ食べていないだろ?オレも一緒につまもうかな」
「いいよ、無理しなくても」
「無理とかじゃなくて食べたいんだよ」
「食べてもいいけど、その前にお風呂に入って来て!」
「なんで?」
「いいから!」
「なら一緒に入ろう」
「先に入って体を洗ってて、その頃いくから」
「わかった」
彰くんの衣類を直ぐに洗濯機に入れスタートさせた。
それからお風呂に入り、彰くんが浴室を洗っている間におかずを温め直す。
時間は遅く、彰くんは食べて来たので、メニューを変更し、あっさりしたもだけにした。
カツオの土佐造りと大根の煮物とお漬物
並べ終わると、ちょうど彰くんが来た。
食べ始めるとご飯も欲しくなったらしい。ご飯を食べる姿に嬉しくなった。