明日が見えたなら  山吹色

水曜日に綾乃と会う。みくちゃんは拓馬さんが子守りをするらしい。

綾乃の自宅近くのファミレスへ行く。元々私はお酒を飲まないし、綾乃もセーブしている。おしゃべりがメインなので長居出来るところが良いのでファミレスになった。

「七海ー!元気?」久しぶりの声が懐かしい。

「元気だよ!」

注文を終えて話し出す。

「七海…痩せた? ダイエットでもしてるの?」

 顔を曇らせてる。

「していないけど、あまり食欲無くて…暑いからかな」

「あー最近暑いもんね、食欲落ちるよね」

「うん…それよりみくちゃんは最近どうなの?お姉ちゃんになった?」

「みく、ちょっと歩けるようになったのだけど、転んではぶつかったりして泣いてる。写真観る?」母の顔で嬉しそうに話す。会社では見られなかった慈愛の表情だ。

「見せてー、可愛いー!あっみくちゃんにプレゼント持ってきたの。気に入ってくれるかな?はい」と綾乃に渡す。

「わっお!かわいいよ、ありがとう!七海の手作り?さすがだね!みくも喜ぶよ」

みくちゃんの話題で盛り上がっていたら食事が届いたので頂きながら話す。

冷やしうどんにしたが、食べ終わらない。綾乃はとっくに食べ終りデザートを吟味し始めてる。

「ねぇ、七海、相変わらず食べるのゆっくりだけど食欲落ちているでしょ!さっきも聞いたけど体重だって落ちているよね?熱中症とか大丈夫?」

「大丈夫」

「彰汰さんは心配してないの?」

「心配してないよ…」

「ふーん あの彰汰さんがねぇ?気付かないかな」

「………」

「綾乃 生理来てる?」

「遅れているかな?元々不順だしね」

「調べてみたら?」

「調べるって何を?」

「決まっているじゃない!妊娠よ」

‘’妊娠か、避妊はしていないからあり得るかも知れないけど、ストレスのような?‘’

「もう少し遅れたら 調べてみるね」

彰くんのこと、相談しようと思ったが いろいろと話しが咲き、後回しにしていたら22時になっていた。母親を引き留めても悪いので、帰る事にした。
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