明日が見えたなら 山吹色
翌朝、起きれば彰くんはいなかった。もうフットサルへ出掛けたのだろう。
顔を合わせないことにホッとした。
今日はどう過ごそうかな。外を見れば青空が広がっていた。
「ただいま」
「お帰りなさい…」
彰くんがフットサルから帰ってきた。
「一緒に食べよう」 一目でわかる私の好きなアイスを買ってきてくれた。私の事を気にしてくれたのがわかり嬉しかった。キスをして冷凍庫へアイスを入れる。
そのまま彰くんはお風呂に入った。
「七海 一緒にお風呂に入ろう」リビングに居ると浴室から声が聞こえた。
どうしよう?直ぐに返事が出来なかった。昨日の事を考えればまだモヤモヤするが、彰くんと一緒にいたいのも本音。
今、私が入らなければまた彰くんとの間に隙間が出来て、私は素直になれないだろう。
思いきって、浴室に入った。
すぐに手を掴まれて湯船に入らされた。
後ろから抱き締められるとホッとする。
私の好きな定位置だった。
暫く無言だったが、彰くんがうなじに口をつけながら、囁やいた。
「昨日はごめん、オレには七海だけだよ」
「うん」こんな風にされたら、流されてしまう。まだ完全にスッキリした訳ではないが、彰くんを信じてみようと思った。
まだこのままでいたかったが、のぼせそうになり、湯船から出ると彰くんが洗ってくれた。
「ダイエットしてるの?」
「ううん、してないよ。なんで?」
「痩せたよね?」
彰くんにも分かるのかな?最近食べれないからな。
「そんな事ないよ、変わらないよ」
「そうかな」
「そうだよ、女の人に体重聞くのは失礼だからね!」
「奥さんでも?」
「奥さんでも!」
取り敢えず誤魔化した。彰くん心配してくれたのかな?
夕食の下ごしらえはしていなかったので、簡単なしょうが焼きを作った。フットサルの後なので、彰くんはガッツリ食べるだろう。
「ご飯はその量で足りるのか?」
「大丈夫だよ、お昼が遅かったし、後でアイスを食べるしね」
「そうか 今日は何していだんだ?」
「小物作ってた」
「そうだ 拓馬から『熊のぬいぐるみありがとう』って連絡あったぞ 『みくが、喜んで離さない』って 気に入ってもらえて良かったな」
「うん!」喜んで貰えて良かった。
食事が終わり、アイスを冷凍庫から取り出した、これなら美味しく食べられそうだ。