ドキドキするだけの恋なんて
タケルと私は 違うタイプだったから。
私は ワクワクして 惹かれたけど。
翔真には タケルに感じたような
ワクワクする思いは 抱けなかった。
それは 私達が 似ているから…
使い慣れた お箸みたいな 安心感。
一緒にいるほど 翔真との 時間に 癒されていく。
そんな人と 出会えるって すごく 貴重なことじゃない?
だから 私は 翔真を 大切にしたいって 思う。
「明日 車 取りに行く時 あず美 俺の親に 会う?」
「えー!急に。どうしたの?」
「うん… お袋が あず美に 会いたがっているからさ。」
「私のこと 話したの?」
「言わなくても わかるでしょ?こんなに 毎週 車で 出かけてたら。」
「そうだね。ちゃんと ご挨拶した方が いいよね?」
「別に 明日じゃなくても いいけど。改まらない方が 逆に 緊張しなくて いいかなって思って。」
「うん… 緊張するよ。どっちにしても。」
「ハハッ。そうだね。急いで 会うことも ないんだけどさ。いずれ 会うわけだから…」
「んっ?」
「ううん。」
もしかして 翔真は 私との 将来を 考えている?