私は彼とあくまでも友達になりたい
「うーん!楽しかったね!彰人くん!」

私はライドから降りて伸びをしながら彰人くんに言う。

「そう言ってもらえたなら、よかった。」

彰人くんは笑っていた。

「時間的にアトラクションに乗るとしたら次で最後かな?何に乗るの?案内人さん。
…いや、『王子様』って言った方がいいの?」

私は照れながら『王子様』と言った。
ちなみに、何に乗るの?と聞いたけれど、大体予想はついている。

「大観覧車。」

彰人くんはニヤリと笑ってそう言った。やっぱり。

「やった!乗ろう乗ろう!」

そう言い、歩き出そうとする私に、彰人くんは、手をこちらに差し出す。立ち止まる私。

「…お手をどうぞ。『お姫様』。」

彰人くんは、私の反応を見て楽しんでるだけなのかもしれない。からかってるだけなのかもしれない。

でもでも。それでも。

…『お姫様』扱いにキュン死寸前なんですけど。
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