私は彼とあくまでも友達になりたい
大観覧車の前についた私達二人は、またまた長蛇の列に並ぶことになった。

辺りは陽が徐々に傾き始めている。
少し肌寒い。

「梨花。」

彰人くんが私を呼ぶ。「なーに?」と私は言った。

「大観覧車のジンクス知ってる?」

「?知らないなー。」

私は占いとかそういうものに疎いのだった。

「…頂上にたどり着くまでの間にキスしたら、そのカップルは永遠に結ばれる。」

静かな声で彰人くんはそう言った。
「えぇ!」と思わず声が漏れる私。

キス…か。

悪くないかも…と自分で思い、何考えてんだと恥ずかしくなる。
そんな私に彰人くんは、

「ま、俺はそんなジンクスなくても梨花のこと離さないって決めてるけどね。」

と言ってみせた。

…彰人くん。どこまで私を照れさせれば気が済むの?
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