私は彼とあくまでも友達になりたい
大観覧車のゴンドラに乗り込んだ。青色のゴンドラだった。

私と彰人くんは向かい合わせになる形で、座っている。

なんとなく、彰人くんの目も見れないまま、ぼーっとする私。
彰人くんは帽子とメガネを取り、そんな私を見て、

「…もしかしてだけど、梨花。ジンクス気になったりしてる?」

ニヒルに笑ってみせた。

「ぐっ…。その通りです。」

完全に図星だった。
彰人くんは、ああやって言ってくれたけど、ジンクスについて聞いてしまった今、気にならずにはいられない。

「ふふっ。ほんと可愛いな、梨花は。」

彰人くんは、今度は微笑むように笑い、

「いいよ。ジンクス、試してみる?」

と言った。


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