私は彼とあくまでも友達になりたい
***

ゴンドラを降りて、また電車に揺られて帰ってきた。
現在19時の長濱駅前であった。

辺りはすっかり真っ暗。

「ねぇ、彰人くん。またこうやって一緒に来ようね。」

私が言うと、彰人くんは、当たり前だろ?と笑っていた。

そして、私の頭にそっとキスを浴びせた。

おやすみ、と言ってから。

彰人くんは、そのまま、帰っていった。私も迎えの車のところに行こう。
…照れてる顔を隠しながら。

彰人くんといる時間は、最後の最後まで気が抜けないなと思った。


──そして、この頃の私はまだ知らない。
まさか、後日あんなことが起ころうとは、夢にも思ってないのだから。
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