私は彼とあくまでも友達になりたい
私は歩きに歩いた末、昇降口の陰でヒザを抱え込んで、座る。
空はどんよりと曇っていた。今日一気に冷え込むって言ってたな。

──私、もしかして彰人くんに嫌われたのかなぁ?

そんなことを考えたとき初めて涙が出た。
変なの。私。

もう、動きたくない。

それに、彰人くんのこと、まだ好き。大好き。
別れたくなんかない。

でも──

私の思考はそんなところを行ったり来たり。

もうこのまま消えたいな。

そしたら、彰人くんも心置きなくひなちゃんと付き合えるもんね。

そんなことを思ったときだった。

「…おい、どうしたんだよ。」

私に声をかける人影があった。
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