私は彼とあくまでも友達になりたい
幸せ
そんな問題を抱えてまま、土曜日になった。

私はショッピングモール内の本屋さんに来ていた。

──英語の参考書を買いに。

もう、彼から英語を気軽に教わることはできないかもしれないと思ったから。

私はレジに並びながら、また泣きそうになる。

彰人くんの気持ちを差し置いて、まだ一緒にいたいと思ってる私。
ワガママだとつくづく思う。

でも、ひなちゃん、可愛いもん。私よりもっと彰人くんと釣り合いが取れてる。
よく男子に告白されてるって聞いたことあるもんね。

むしろ今までがおかしかったんだよね?
こんな平凡女が『お姫様』になれないよ。私はやっぱり『お手伝いさん』だったんだ。

そんなことを考えながら、レジカウンターに進もうとしたときだった。

後ろから肩をチョンチョンとされたのだ。

何か落としたのかもと思って慌てて振り返るとそこには…

「…こ、ここな?」

ここながいた。
< 165 / 251 >

この作品をシェア

pagetop