私は彼とあくまでも友達になりたい
***

「なるほどね。」

話の途中で、運ばれてきたウィンナ・コーヒーを飲みながら、ここなが言う。
そして、ここなは

「まずは、彰人の真意を聞かなきゃなんとも言えないわ。
彰人次第であんたは彰人と別れるべき。
というか、別れてちょうだい。」

と言った。

「私が幸せになって欲しいのは梨花じゃなくて彰人。
彰人が好きな人と結ばれていて欲しいの。

…まあ、彰人のことが、好きで告白しようとしてた私が言うのも変な話だけどね。

でも、私がずっと考えて考え抜いた答えが、これなの。

…あんたはどうなの?梨花。」

ここなは私の目を真っ直ぐ見ながら言った。
ここなの話を聞いて、現実に戻された気がした。

…うじうじなんてしていられない。そんな暇があったら。彰人くんの幸せを願おう。

「とりあえず、念のため言っておくけど、別れる前に彰人の真意を聞きなさいよ?」

ここなはじとっとした目で聞いた。

「わかってる。」

私はそう返事をした。

彰人くんの真意はどうであろうと、私は彰人くんが幸せな道を辿ろうと決めた瞬間だった。
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