私は彼とあくまでも友達になりたい
***

「ただいまー。」

私は家のドアの内鍵を閉めながら呟いた。

「おかえりー。」

リビングからは姉の声だけがした。

「あれ?お母さんたちは?」

「買い物行っふぁ。」

語尾がおかしかったので多分また何か食べてるんだろうなと思う。

手を洗いに洗面所に行く途中チラリと姉を見ると、焼き芋を食べていた。スーパーで買ってきたのかな?

「この間はふぁぐらかされたけど、ふぁっぱり何かあったでふぉ?最近暗いふぉ?」

姉は焼き芋を頬張りながら私に言う。

いつもならまたはぐらかすところなのだが、ここなに話を聞いてもらったからかもしれない。私は姉にも話を聞いて欲しいと思ってしまった。

「実は…」
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