私は彼とあくまでも友達になりたい
***
side 福井春樹
「なぁ、ちょっといいか?」
俺はそんな言葉で呼び出した。
誰を、どこに。
「──で、俺に用って何?」
弥生彰人を、校舎裏に、だ。
「俺はお前が何したのか知らないけど…。」
そこまで言い、弥生を壁に押し付ける。
「西窪のこと困らせてるのは知ってる。
俺はあの日の勝負に負けて、身を引いたけど、あいつのことがまだ好きだ!!
でも、俺がどんなに西窪を慰めようと、あいつはなびかないんだよ。
なぁ、弥生。もうこんなこと言いたくないが、西窪を泣かせるくらいなら、別れろ。」
俺は息切れしながら、弥生を睨む。
弥生は俺の思う反応とは違っていて、顔面蒼白になり、
「あいつあのこと知ってたのかよ…。」
と呟いた。そして、自分のスマホを急いで見たあと、
「悪りぃな、福井。俺するべきこと決まった。」
と言い、どこかへ行ってしまった。
…どうやら、俺はあいつに助け舟を出してしまったらしい。
でも、もういいんだ。
西窪のことを本気で幸せにできるのは、あいつしかいないと薄々気づき始めていたから。
side 福井春樹
「なぁ、ちょっといいか?」
俺はそんな言葉で呼び出した。
誰を、どこに。
「──で、俺に用って何?」
弥生彰人を、校舎裏に、だ。
「俺はお前が何したのか知らないけど…。」
そこまで言い、弥生を壁に押し付ける。
「西窪のこと困らせてるのは知ってる。
俺はあの日の勝負に負けて、身を引いたけど、あいつのことがまだ好きだ!!
でも、俺がどんなに西窪を慰めようと、あいつはなびかないんだよ。
なぁ、弥生。もうこんなこと言いたくないが、西窪を泣かせるくらいなら、別れろ。」
俺は息切れしながら、弥生を睨む。
弥生は俺の思う反応とは違っていて、顔面蒼白になり、
「あいつあのこと知ってたのかよ…。」
と呟いた。そして、自分のスマホを急いで見たあと、
「悪りぃな、福井。俺するべきこと決まった。」
と言い、どこかへ行ってしまった。
…どうやら、俺はあいつに助け舟を出してしまったらしい。
でも、もういいんだ。
西窪のことを本気で幸せにできるのは、あいつしかいないと薄々気づき始めていたから。