私は彼とあくまでも友達になりたい
日誌を書き終わる頃には、クラスに誰もいなかった。

私は鍵を閉め、職員室まで日誌を持っていこうとする。

福井くんからは恋を諦めないことを。
ここなからは恋の形を。
姉からは好きの気持ちの在り方を。
千夏からは自分で選ぶ責任を。
菜穂ちゃんと蓮美ちゃんからは私が最後に自分の気持ちと向き合うきっかけを。

色んな人から色んなものをもらった。

私はこの貰ったものを胸に秘め、彰人くんに会いに行こうと思う。

そう思いながら、一組の前を通ったときのことだった。

「弥生彰人もひなにかかればちょろかったねー。ま、私でも落とせただろうけど。」

そんな会話が聞こえてきたのだ。
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