私は彼とあくまでも友達になりたい
一組内を中にいる人にバレないように、こっそり覗く。
中には、ひなちゃんや、不良とクラスの子が言っていた子がポツポツいた。

ひなちゃんは何も喋っていなかったが、周りの女の子達は騒がしかった。

「いやー、やっぱ、ひなが最強だね。
まさか、彰人くんまで落とせちゃうなんて。」

「当たり前でしょ。だってひなだよ。
つか、弥生、西窪大好きかよ!あそこまでとはねー。」

「まぁ、あいつらまだ別れてないらしいけど、じっくり別れさせていこうね!ひな!」

キャハハと笑う、女の子達の声は、私の耳には騒音にしか聞こえなかった。

ひなちゃんの告白の意味を知った。

確か、ここにいる女の子達を不良だと言ったクラスの子は、女の子達はイケメンを何日で落とせるかっていうのをゲームにしてるって。

まさか、ひなちゃんがこのグループに属していたなんて知らなかったけど。

彰人くんにあの日、告白以外で何したんだろ?
私、やっぱり、彰人くんの負担にまたなってたのかな?

そんな自問自答の中、私は逃げ出したくなった。しかし足は動かない。

目を瞑りたいのに、のりで張り付いたみたいに、目は閉じない。

──助けて!助けてよ!誰か!

私の目からは大粒の涙が出ていたし、いつのまにか、口で呼吸しなきゃ息できなくなっていた。

助けて欲しい。誰でもいいから…。お願いです。

…そんな思いが届いたのか、私の視界は、後ろから来た、誰かの手によって塞がれる。

「大丈夫だから。ごめんな。」

──その声は私の大好きなあの人の声だった。

「…彰人くん!」
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