私は彼とあくまでも友達になりたい
彰人くんは、私の目隠しをとき、一組に入っていく。
中にいる女の子達はやばいというような顔をしていた。

「ごめんけど、別れて。」

彰人くんはひなちゃんに向かってそう言った。
しかし、ひなちゃんは黙ったまま。

「はぁ?」

「じゃあ、"アレ"ばら撒くよ?」

ひなちゃんの代わりにひなちゃんの隣に座る金髪の女子と茶髪の女子が言った。
私は、その様子を固唾を呑んで見守った。
"アレ"ってなんのことだろう?と思いながら。

「いいよ。ばら撒きたきゃばら撒けよ。
お前らや、俺のファン?の人たちが、あいつに何しようが、俺が守ってみせるから。」

彰人くんはそうひなちゃんにまっすぐ言った。

ひなちゃんは…

「…萎えたわ。」

と一言言い、自分のスマホを操作して、

「写真消した。」

と言う。

「まぁ、そう言うことだから、私もう帰るね。
…お前の顔なんて二度と見たくない。」

ひなちゃんはそう言い残し教室を出た。
取り巻きというか、残りの不良グループの子も続々と出ていった。

そんな中、私は、耳を疑った。
ひなちゃんが、通り過ぎるときに言った言葉に。

「ありがとう。」

確かに、ひなちゃんはそう言った。
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